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「ノーベル平和賞予想1位」は、なぜ「ギリシャ島民」だったのか?

 

 国民の半数を超える450万人が国を出たとも言われるシリア難民、そして第二次世界大戦後最悪の人道危機」と言われるヨーロッパ難民危機。いまだ悪化の一途を辿る難民危機だが、今も精力的に取材・発信を続ける1人の記者がいる。ガーディアン紙初の「移民専門ジャーナリスト」にして、『シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問』(原題The New Odyssey)の著者、パトリック・キングズレーだ。
 今回は、イギリスのブックメーカーの予想で2016年のノーベル平和賞の「予想1位」に選ばれた、「ギリシャ島民」の活躍を伝えるレポートをご紹介しよう。突然、毎日1000人単位で難民がやってくるようになったギリシャの島では、いったい何が起きていたのか?

ギリシャ・レスボス島に上陸した「現代のアイネアス」

 海を見ていたエリック・ケンプソンが目を細めると、何かが見えた。

 ここはギリシャのレスボス島の崖の上。幅10キロほどの海峡の向こうには、ぼんやりとトルコが見える。「見てごらん」と、彼は双眼鏡を貸してくれた。でも、私にはぼんやりしていて、よくわからない。2015年6月のある朝、午前6時前のことだ。トルコの黒い岩場の向こうから、太陽が顔を見せ、空は明るくなってきたけれど、まだ海はかすんでいた。私に見えたのは、おそらく4~5キロ先の小さな黒い点だけだった。

 だがエリックは、「点」を見分けるプロだった。毎朝、夜明け前に妻のフィリッパと起き出して、海を見に行く。海峡に五つか六つの点が見える日もある。今朝は一つだけだ。エリックは、それが何なのかよくわかっていた。「難民のボートだ」と、私から双眼鏡を引き取りながら言った。「15分ほどでこっちに着くだろう」

 まだはっきり見えもしないのに、ずいぶん具体的な予想だなと思ったけれど、私は2人の記者仲間とレンタカーに飛び乗って、海岸に向けて急いだ。難民たちがヨーロッパに上陸する瞬間に立ち会いたいと思ったのだ。

ギリシャ沿岸でゴムボートから下りて上陸しようとする人たち(C)Sean Smith  拡大画像を表示する

 エリックの予想はぴったりだった。その点はどんどん大きくなり、10分でゴムボートの形になった。車から見ても、人がぎゅうぎゅうに詰まっているのがわかる。ひょっとすると50人は乗っているかもしれない。向こうにもこちらが見えたようだ。私たちの車がガタガタと高台から下りていくと、何人かがこちらに向かって手を振った。人々の顔がはっきり見えてきた。さっきまで点、そしてシルエットにすぎなかったものが、オレンジ色の救命胴衣を着た人の群れに変わった。

 私たちは車から飛び降りると、急斜面の岩場を駆け下りた。その途中で彼らを見失い、ようやく砂浜に下りたときには、すでにボートは到着していた。人々は救命胴衣を乱暴に脱ぎ捨て、浜に放置していく人も多かった。1人の男がゴムボートのチューブをナイフで刺し、空気を抜くと、ナイフごと海に捨てた。ボートがまだ使えると、ギリシャ人に送り返されるという噂があったからだ。

 

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http://diamond.jp/articles/-/110883